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司法制度改革を改革するためには?

2015.08.06

 

 法曹人口問題・法曹養成制度の公的な審議会は、「法曹養成フォーラム」→「法曹養成制度検討会議」→「法曹養成制度改革推進会議(法曹養成制度改革顧問会議・法曹養成制度改革推進室)」と結成され、議論されてきました。

 しかし、法曹養成制度改革推進会議の後の審議会は、今のところ、予定されていません。
 
 政府は、このまま事態の悪化を放置して、事態の悪化を見守ることに決め込んだようです。

 「名は体を表す」と言います。
 
 審議会の名称は、「法曹養成制度」を検討する会議から、「法曹養成制度改革」を「推進」する「会議」と命名されました。
 審議会の名前からして、法曹養成制度改革推進会議は、最初から、特定の方向性、すなわち、弁護士激増と法科大学院制度を柱とする司法改革(法曹養成制度改革)を推進する方針をあくまでも前提としていたのだと思います。
 
 全くの茶番劇です。
 
 2年間も審議して、法曹需要の大々的な調査を行い、法曹需要がないということが再度統計結果から明らかとなったのに、その統計結果を踏まえて出した決定がこのような内容だというのですから。
 本当に笑ってしまいます。

 平成27年6月30日付法曹養成制度改革推進会議決定を見ると、現状がどのようなものであるか、司法制度改革によりいかなる弊害が生じ、どのように改革を進めていくべきかといった問題を中立・公正に検討する気など毛頭なかったとしか考えられません。
 
 司法改革は、一体全体誰のための改革なのでしょうか。
 
 弁護士制度が潰され、司法制度が潰されました。
 就職難に伴い、法曹志願者が激減しました。
 弁護士は公益活動を行う余裕を失い、多くのワーキングプアーロイヤーが生み出されました。
 「ブラック(法律)事務所」と言われる事務所が出てきました。
 弁護士の不祥事案も増えました。
 大学も法学研究者を目指す学生が激減し、法学研究の質も著しく低下しました。

 司法改革で市民が幸せになったのであれば良いのですが、市民にとっても弊害ばかりが目につきます。 

 司法改革で司法制度は、以前よりも著しく悪い制度になりました。
 
 司法改悪に対する真摯な総括と反省から始めなければ、真の司法制度改革はできないでしょう。
 真の司法制度改革を直ちに実現しなければ、今後も、制度改悪による被害者が年々次々と生み出され続けていくのです。
 
 それなのに、司法改悪による社会的弊害の諸事実を目の前にして、何故こんな簡単なことができないのでしょうか。

 その理由は、司法制度改革を進めた人たちが司法制度を検討しているからであると私は思っています。 
 
 そのため、このような現実を目前にしても自画自賛しかできないのでしょう。
 
 これからも、個人の見栄やプライドのために制度改悪が放置され、多くの被害者が生み出され続けていくのでしょうか。

 私の生きている間では変えられないかもしれませんが、何とか一刻も早く阻止したいと思っています。
  
 

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