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多くの有為な人材がより法曹を目指す?!

2015.07.26

 

平成27年6月30日付の法曹養成制度改革推進会議決定の「法曹養成制度改革の更なる推進について」第2「今後の法曹人口の在り方」には、「(年間司法試験合格者数)1,500人程度は排出されるよう、必要な取組を進め」「今後もより多くの優位な人材が法曹を志望し、多くの質の高い法曹が、排出され、活躍する状況になることを目指すべき」とあります。
 先日のブログで申し上げた通り、法科大学院志願者数及び法科大学院入学者数は激減しています。
 もともと生活費捻出もできないであろう職業を誰が目指すというのでしょうか。
 東大法学部の定員割れが生じたのは、もう何年前のことだったでしょうか。
 法学部自体の人気が急落し、法学部を目指す人も激減しています。

有為な人材の多くが司法界を目指さなくなってしてしまった現状を前にして、「今後もより多くの優位な人材が法曹を志望し、多くの質の高い法曹が、排出され、活躍する状況になることを目指す」などと言うのですから、顧問会議の委員や官僚や推進会議の人たちは、一体全体どこを見ていて言っているのでしょうか。

現在の3万6000人強の弁護士数でも過剰なのです。
なのに、これから司法試験合格者数を1,500人以上にし続けたら、6万人や7万人までに弁護士の数が増加します。
これまで以上に就職できない人たちや経営に困る弁護士が巷に溢れるでしょう。
弁護士が公益活動や人権活動をする余裕もなくなってきています。
これほどまでに、弁護士数が多いのに、弁護士会の活動の最も重要な委員会活動でさえ、委員会に委員長と担当副会長しか参加しないという委員会まで出てきている始末です。 
 
法曹養成制度改革顧問会議や法曹養成制度改革推進会議は、推進室の行った統計結果を無視し、現状を無視し、全く逆の結論を導くのですから、最初から、司法試験合格者数を減少させないための、いわば、出来レースだったのでしょう。

これに対し、日弁連が出した会長声明(「http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2015/150630.html」)の中身は、司法の専門家としての弁護士会の役割を果たしたものとは言えないと思います。

cf「福岡の家電弁護士ブログ」(デタラメ意見書を評価しちゃった日弁連の会長声明の残念っぷりを嘆く)
http://ameblo.jp/mukoyan-harrier-law/entry-12054797146.html

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