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プロセスとしての法曹養成

2014.10.03

 

 法科大学院が司法試験受験資格要件にされた際、「プロレスとしての法曹養成」と言うスローガンが掲げられました。

 法曹養成の中で最も重要なのは、弁護士資格を取得してからの「イソ弁制度」でした。
 法律を良く知っているだけでは、一人前の弁護士とは言えません。弁護士業務は、職人としてのノウハウ等があり、その事案事案によって、或いは、当事者の個性によっても、対応が変化します。実際の事件の取組を通じて、その都度、ボスである弁護士から叱られたり、教えられたりすることにより、数年程度経って初めて弁護士として一人前になれるのです。

 法科大学院では、実際の事件を見ながら学べるわけではなく、机上の学習なのですから、法曹養成過程としては、その成果は、修習制度、ましてや、イソ弁制度には到底及びません。法科大学院における法曹養成は、まさに、「畳の上の水練」なのです。いくら畳の上で水泳の練習をしても、泳げるようになるわけではありません。

 ところが、司法改革により、司法試験合格者数が激増し、就職先がなくなり、法曹養成過程として一番重要なイソ弁制度が破壊されてしまいました。

 「プロセスとしての法曹養成」を掲げながら、「プロセスとしての法曹養成」を破壊したのが、司法改革だったのです。

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