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ある会合での会話

2012.05.12

 

 この1週間の間に懇親会で司法書士の方とご一緒させて戴く機会が2度ありました。

 1回目は1週間ほど前のことですが、ある司法書士が「弁護士人口増も失敗。法科大学院も失敗。裁判員裁判も失敗でしょう。何故弁護士会は一丸となって闘わないのですか?闘ったら良いじゃないですか。」と言われるのです。

 その司法書士は私が司法改革に関してどのような活動をしているなどといったことは全く存じ上げておらず、ただ単に「司法改革の失敗がこれほどまでに明らかなのに何故弁護士会が一丸となれないのかがわからない。」のだそうです。
 その司法書士は他の司法書士に対して「いいですか。弁護士会は別に会長になりたいから会長選挙をしているのではないんですよ。お互いの考え方が違うから会長選挙をしているのです。政治的争いなのですよ。」と言われるのです。
 その方が仰っているのは、勿論日弁連会長選挙の説明です。
 そこで、私が「いやぁ~。実は、私も同じようなことで今年の兵庫県弁護士会の会長選挙に立候補して負けたのです。」と申し上げると、「え~っ。そうなんですか。まさか先生が会長選挙に出られたなんで信じられないですな。お若いのに。へぇ~。」と心底驚いておられました。そして、最後に「選挙権はないけど応援してますから、是非頑張ってくださいよ。」と励ましてくださいました。

 2回目の某会合でも複数の司法書士の方とご一緒させて戴きました。
 その場で、某弁護士が「私は司法試験合格者3000人論者です。弁護士なんてね。いくらでも増やしたらいいんですよ。弁護士数を少なくして特権階級にしているから弁護士が偉そうにしているのです。司法書士の方にも皆弁護士資格を与えたらいいんです。月収20万円でも借金があっても人権活動をしたい人はいくらでもいるんですよ。貧乏になったら人権活動をしないというのは、貧乏な人を馬鹿にしていますよ。」と言われるのです。すると、その発言を聞いていた2人の司法書士の方が「司法書士に弁護士資格に与えるべきではないです。」「それに、借金を抱えて就職先もないのに人権活動なんてできるわけがないじゃないですか。そんなことを言われるのなら、先生こそ自分の給料を20万円にして残りを就職先のない若手弁護士を雇って救ってあげるべきじゃないですか。今すぐ。」と言われるのです。これに対して、その弁護士は「私はできないですよ。私はもう25年も弁護士をしているのですから、若手よりも収入があって当たり前じゃないですか。何でそんなことをしなければならないのですか。」と言われ、司法書士の方から顰蹙を買っていました。

 勿論、その弁護士は私がどのような活動をしているかを知って敢えて私に半分冗談で絡んで来ただけなのですが、私が驚いたのは、司法書士の方の反応です。

 
 司法書士は、一般市民とイコールではありませんが、一般市民に対する説得の方が一部の弁護士やマスコミを相手に説得するよりもよほど理解が得られ易いであろうことを確信した次第です。
 
 

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