最新情報詳細 一覧へ

< 一覧へ

予備試験合格者の行方

2011.10.25

 

 平成23年度の予備試験論文試験の合格者数は、123人との発表が今月13日に法務省から出されました(http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji07_00050.html)。
 予備試験というのは、俗に「バイパス試験」と言われるもので,予備試験に合格しさえすれば,法科大学院の課程を経なくても新司法試験が受験できます。

 今年はじめてその予備試験が実施されたのです。
 この予備試験の出願者は8,971人、うち実際に受験した方は6,477人だったそうで、出願者の1.5%、受験者数で割っても1.8%となります。
 今年の法科大学院を卒業した新司法試験の合格率は、出願者数11,892人、受験者8765人で合格者は2,063人でしたので、出願者の17%、受験者数で割ると23%に上ります。
 よって、予備試験合格率は、その1割にも満たなかったことになります。
 
 この違いがどこから来るのか,それは、その後の予備試験合格者組の動向を調査・検証をしなければ,結論は出ません。

 予備試験組が新司法試験を受験するのは来年になると思いますが、来年の予備試験組の新司法試験合格率と法科大学院組の新司法試験合格率との比較、予備試験組が新司法試験合格した後、裁判官・検察官・弁護士のどこへ就職したのか,あるいは、弁護士としてどこに登録したのか、その地域や渉外事務所か否か等の具体的な追跡調査は是非とも必要だと思います。

 123人の追跡調査はいとも簡単なのですから。

pagetop