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若手弁護士の夢?

2011.08.20

 

 弁護士会には、日弁連が発行者として会員向けに発行される日弁連新聞という新聞があります。
 
 この日弁連新聞には「ひまわり」というコラムがあります。
 そのコラムが結構な頻度で酷い内容を載せます。
 
 今回の8月1日発効日のNo,451のコラムも酷い内容でした。

 まずは、中学生にも「夢」がなくなっている例を挙げ、なでしこジャパンが優勝という夢をかなえた例を次に挙げます。転じて、法科大学院志望者が激減している実情を紹介し、法律家、特に弁護士になる夢を持てなくなっていることが原因であると分析します。ここまでは良いのですが、その後が問題です。

 このコラムを書いた弁護士は、我々先輩弁護士が弁護士になる人に『夢』を伝えればよいとします。そして、自分が弁護士になった『夢』は人のため社会のために役に立ちたいとの思いがあったからとします。
 
 「河童の川流れ」とは、こういう方のことを言うのでしょうか。

 若い法曹を目指す人だって、人のため社会のために役に立ちたいとの思いは、先輩弁護士以上に持っています。
 それをこのコラムを書いた弁護士は、自分たちは人のために役に立ちたいと思っていたが、将来法曹を目指そうという人にはあたかもこのような思いがないから「夢」がもてないなどといったことを前提としており、全く人を見下しています。
 
 法科大学院を出て司法試験に合格するまでに多額の借金を負わされ、弁護士になっても就職先がなく、独立しても赤字経営しか見込めない、そんな制度にしてしまったのは、一体全体誰だというのでしょうか。我々先輩弁護士ではないですか。

 赤字経営のツケを家族にまわして、家族の生活の面倒も見ることができずに、一体全体どうやって「社会のため人のために役に立ちたい」との『夢』だけで将来の「夢」が持てるというのでしょうか。
 それでも『夢』を持てるというのなら、このコラムを書いた弁護士がまず多額の負債を負い、赤字経営の中で、人権活動をしてもらいたいものです。
 
 このような偽善的な弁護士が司法改悪を押し進めたのです。にもかかわらず、全く反省がないどころか、若い人を見下して自分たちを持ち上げるコラムをどうしたら平気で書けるのか、その神経が私には理解できません。

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