最新情報詳細 一覧へ

< 一覧へ

弁護士任官ブロック大会開会あいさつ

2014.10.21

 

  先日、兵庫県弁護士会で開催された弁護士任官推進の大会に参加し、開会の挨拶をさせて頂きました。
 その際に行った挨拶を以下に掲載させていただきます。
 下記の通り、法曹一元は、司法改革の方便として使われ、今や誰も法曹一元とは言わなくなってしまいました。
 司法改革の始まり自体がきわめて胡散臭いものであった言えると思います。
                   
                      記
  ただいまご紹介にあずかりました平成26年度兵庫県弁護士会の会長を務めます武本夕香子と申します。
  本日は、「弁護士からのチャレンジを!」と題するブロック大会ということですが、私は、弁護士任官は、みんなで協力してなくしていくべき制度だと考えています。

  そのわけは、法曹一元こそ、国民・市民にとってあるべき司法の姿と考えるからです。それは、私一人の考えではなく、日弁連全体の意見であったはずです。そのことは、司法改革を決めた平成12年の日弁連臨時総会の前文と決議文、そのたった943字の中に、「法曹一元」という言葉が、実に5回も出てくることで、明らかです。先般の司法改革の眼目、目的の一丁目一番地は、「法曹一元」の実現であったのです。
  そして、私の主張の詳細は今は省略しますが、私の方は、先般の司法改革が、返って「法曹一元」を遠ざけると反対していました。

  では、先般の司法改革で、「法曹一元」は、どうなったでしょうか。事態は、私の予想の斜め上を行きました。司法改革が行われた後、「法曹一元」を強く主張する人はいなくなってしまったのです。最大の目的を主張する人がいなくなるのですから、私も驚きました。これでは、「法曹一元」は、司法改革のための方便であったと言われても仕方のないような現状であると思います。私としては、それでも「法曹一元」を訴えたいと思います。当時を知らない若い弁護士の方には、是非こうした経緯を知っていただきたい。また、当時を知る先生方も、もう一度、あのころを思い返し、国民・市民のためにあるべき司法の姿に思いをはせていただきたいと思います。

  しかし、司法のあるべき姿と、現行の制度を十分活用して国民・市民のためにより良い司法を目指すことは、截然と区別すべき別の問題です。
現行の弁護士任官制度について、その実情を知り、それを活用することでより良き司法を目指すことは、大変重要であると考えます。
  また、弁護士任官は難関だと聞き及んでおりますが、それをクリアし裁判官としてご活躍の先生方のお話を伺うのは、大変興味深く、意義深いことだと思います。
そうした意味で、本日の大会は、大変重要で、かつ意義深いと考えております。
  本日は、兵庫県弁護士会に所属しておられた弁護士任官者3名をお招きし、このような大会を当会で盛大に開くことができたことは、非常に喜ばしく、誇らしいことであると考えております。
  本日の講師の先生方はもとより、この意義深い大会を企画、実施していただいた方々に、深く感謝申し上げます。
  また、お忙しい中、多数ご参加いただいた皆様方にも感謝致します。
弁護士任官という制度を通して、国民・市民により良い司法をもたらそうというお志のある先生方は、本日の大会を参考にされ、是非任官のチャレンジされることを期待しております。
  また、より良い司法制度を構築することで国民・市民に尽くすことが使命と考える者と致しましても、いかにすれば「法曹一元」を実現できるかのヒントを得るため、しっかり勉強させていただきたいと思います。
本日の大会が充実したご審議となること祈念致しまして、ご挨拶とさせていただきます。
  有難うございました。

pagetop