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司法改革の功績?!

2013.11.25

 

 中部弁連で日弁連執行部が司法改革の功績として、委員会活動等の公益活動が充実したことを指摘されたとのことです。

 もし、この話が本当だとしたら、今世の中で話題になっている「偽装」も甚だしいと思います。

 司法改革以後、弁護士の数は飛躍的に増大しました。

 しかしながら、業務に結びつかない委員会活動や弁護団活動は、先細りしてきています。
 ほとんどの委員会で、委員会参加者は減少しています。
 活発な委員会でさえ参加者の人数は横ばい状態です。
 委員会の参加者が横ばいであっても、近年弁護士の数が増大し、委員会登録者数は激増しているのですから、参加者割合は減少していると言えます。
 従って、委員会の参加者自体が減少しているということは、参加割合が激減していることを意味します。

 参加者が少なければ、参加者の1人当たりの負担割合は重くなりますので、ますます参加者が減ってくる悪循環が起きています。

 弁護士は、弁護士業務以外にも委員会活動等人権活動をボランティアで行ってきており、弁護士会の社会的役割を果たしてきたのですが、その弁護士としての本質的なボランティアの公益活動は、明らかに衰退の一途をたどっているのです。

 私は、日弁連、近弁連、兵庫県弁護士会の各委員会に参加しており、できる限り積極的に参加し、雑用も喜んで負担していますが、今年は、昨年副会長をしていた時と変わらないくらいの委員会活動をしているような気がします。
 委員会参加者が非常に少ないので、やるべき雑用が非常に増幅しているからです。

 
 また、業務に直結しない研修会や勉強会にも人が集まり難くなっています。

 
 更には、どこの弁護士会も修習生の指導担当をしてくれる弁護士を探すのに四苦八苦しています。後輩の法曹を育てる意欲や余裕ある人が激減しているのです。
 ましてや、自分が給料を払う必要の出てくるイソ弁(勤務弁護士)の雇用など、望むべくもありません。
 今年も3分の1くらいの修習生の就職先が決まっていないという話を聞きます。

 一体全体どこの部分を見て、司法改革の功績として「委員会活動等ボランティア活動が活発になった」などと言えるのでしょうか。

 弁護士法1条1項には、「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」と規定されています。
 弁護士以外の他の士業(司法書士・税理士・行政書士・土地家屋調査士・社会保険労務士等々)には、このような規定はありません。

 弁護士の社会的意義は、委員会活動、すなわち、弁護士としての営業的活動以外の基本的人権擁護・社会正義の実現のためのボランティア的公益活動にこそあるのです。

 この弁護士の公益活動の衰退、ひいては弁護士自治の崩壊は、司法改革の罪の最も重い罪であるとさえ言えます。
 
 「司法改革の功績」として「公益活動の充実」を挙げることが、いかに酷い「偽装」に当たると批判されてしかるべきかは、弁護士であれば明白なのです。

 にもかかわらず、その弁護士らに向かって「司法改革の功績として公益活動の充実」を挙げたことが本当のことだとすれば、それは本当に由々しき問題だと思います。

 
 
 

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