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浜辺陽一郎氏の発言(その3)

2013.05.21

 

 昨日のブログから引き続き、浜辺氏の発言を下記に引用させて頂きます。

 (引用はじめ)
「実際には、法科大学院を卒業して、実務能力をつけてもらえば、その能力が求められる職場は存在しているわけで、司法制度改革とは、そういうことを明らかにしているのですが、その基本的なところを理解してもらう必要はあるでしょう。」(引用終わり)

 →「法科大学院を卒業して、実務能力をつければ、その能力が求められる職場」が存在するのであれば、是非ともそれを司法修習生に紹介してあげて頂きたいと思います。どれほど多くの修習生が「法科大学院を卒業して、実務能力を」身につけても(弁護士あるいは弁護士以外に広げても)職がなく、苦しんでいることか。

(引用はじめ)
「拝金主義でない受験生の多くは、少なくともかなり勉強不足か、どういうわけか受けている情報に偏りがあることは確かです。」(引用終わり)

→この記載部分は何を言いたいのかが論旨不明瞭ですが、その後に続く下記文章と「勉強不足」「情報に偏りがある」との部分を勘案して考えると、どうも「拝金主義である受験生」とは予備試験ルートの受験生を指すように思われます。そして、どうも浜辺氏は、法科大学院修了組の合格率が予備試験組司法試験受験生と比較して低いのは単に前者に「かなり勉強不足」と「どういうわけか」「情報に偏りがある」にすぎないと言いたいようです。

(引用はじめ)
「何も知らないまま、何の専門的技能も身に着けないで、勉強もしないで、ブラック的な企業で使い捨てられるリスクを冒すのと、法科大学院で勉強してリーガルマインドとスキルを習得するのと比較して、法科大学院のリスクの方が高いと考えることに合理性があるとは思えません。みんな、わかっていないだけなんです。」(引用終わり)

→この部分も趣旨が不明瞭ですが、「何も知らないまま、何の専門的技能も身に着けないで、勉強もしないで、ブラック的な企業で使い捨てられる」人というのは、予備試験ルートを通って司法試験に合格した人たちを指すように見えます。しかし、「法科大学院で勉強してリーガルマインドを習得する」人と対比される人(=予備試験ルート受験生)をして「何も知らない」「何の専門的技能も身に着けない」で「勉強もしない」と浜辺氏が結論づける根拠は一体何なのでしょうか。
 また、浜辺氏が前述している「拝金主義でない受験生の多く」(=法科大学院ルート受験生)は、「かなり勉強不足か」「情報に偏りがある」との記載部分との整合性もよくわかりません。

 兎に角浜辺氏は、法科大学院ルートを通らない人が「拝金主義」で「何も知らないまま、何の専門的技能も身につけ得ないで、勉強もしないで、ブラック的な企業で使い捨てられる」と言いたいようです。
 
 私は「予備試験ルートを通った司法試験合格者は、渉外事務所や裁判所から引く手あまた」との噂をよく聞きますが、実際のところはわかりません。しかし、少なくとも予備試験ルートを通った司法試験合格者が何も知らないのか否か、勉強していないのか否か、専門的技能を身に着けていないのか、あるいは「ブラック的な企業で使い捨てられ」ているのか否かといった実態も明らかにはなっていないように思います。
 まずは、予備試験組の司法試験合格者がどのような職業に就いているか等についての実態を追跡調査をする必要があると思います。
 
 最後の「みんなよくわかっていないだけなんです。」との記載部分は、「自分はよくわかっているが、他の人はよくわかっていない」とのいかにも人を見下した表現も教育者としていかがなものでしょう。

 
 みなさんはどう思われますか。
 

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