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浜辺陽一郎氏の発言(その2)

2013.05.20

 

 facebookでの浜辺陽一郎氏の発言はその後も続いています。
 下記に引用させて頂きます。なお、矢印以下は、私の意見です。

 (引用はじめ)
「弁護士になるまでのコストが債務という形で残る一方で、就職もままならず、安定した所得を確保できる見通しもない」という大きな誤解が蔓延している。確かに、今までの法廷実務中心の弁護士事務所が食っていけないのは当然で、そういう古いタイプの弁護士を増やそうという話でもない。」(引用終わり)

 →「今までの法廷実務中心の弁護士事務所が食っていけないのは当然」なのであれば、「弁護士」としての「就職もままならず、安定した所得を確保できる見通しもない」というのは、「誤解」でも何でもないと思います。
 「今までの法廷実務中心の弁護士」以外の職場が多数存在するという趣旨であれば、前段と後段が理論的につながらないではないですが、そのような職場が存在し、法曹有資格者のかかる現場での活躍を希望しているのであれば、これほどまでに司法修習生は就職に苦労していないでしょう。法科大学院を修了した司法修習生がいかに多額の借金を抱えながら、就職先がなく、苦悩しているか、その現実を見て頂きたいです。

(引用はじめ)
「ちゃんとしたニーズに対応すれば、弁護士は「食えない」「将来が悲観的」という現実もない。」(引用終わり)

→浜辺氏は、上記に引用した通り、「弁護士事務所が食っていけないのは当然」と述べておられます。その記載内容とここに引用した「弁護士は「食えない」「将来が悲観的」という現実もない」との記載内容は矛盾すると思います。
 浜辺氏は「弁護士が『ちゃんとしたニーズ』に対応していないだけで、『ちゃんとしたニーズに対応すれば』「弁護士は「食えない」「将来が悲観的」という現実」はなくなると言われるのかもしれません。
  しかしながら、この10年以上もの長きに亘り弁護士及び弁護士会が英知を振り絞り業務拡大に努め続けているにもかかわらず、「ちゃんとしたニーズに対応」した業務創出に成功できていない現実を浜辺氏は、どのように分析されるのでしょうか。また、これまでの弁護士各人及び弁護士会の涙ぐましい努力の結果、「ちゃんとしたニーズ」に対応できていないのに、いかにすれば、今後「ちゃんとしたニーズに対応」する見通しが立つのかについて明確な道筋を示して頂きたいと思います。そもそも「ちゃんとした」ニーズというものがどういうものかが良くわかりませんし、もう少し的確な表現はないものでしょうか。

(続く)

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