最新情報詳細 一覧へ

< 一覧へ

「ロースクールを考える」(成文堂)鎌田薫委員執筆部分

2013.03.10

 

 今日も鎌田先生が書かれた「ロースクールを考える 21世紀の法曹養成と法学教育」(成分堂)の執筆部分を下記に抜粋させて戴きたいと思います。

                        記
 (引用はじめ)
 「3 法学教育の質は向上するか?」「司法制度改革審議会の提言や、その前提となった文部省(現文科省)内の検討会議が提案する内容で、その目標を達成できるとは考えられない。」
 「おそらく、学生のために骨身を削って教育をしている民法学者で、これだけの授業で、今よりも優秀な法曹を数多く排出できるようになると考えている人は皆無に近いと思う。」

 「成文法主義をとり、判例・学説等も法典の体系に従って分類整理されている我が国において法律実務を行うためには、法体系の構造を理解し、その体系に沿った思考様式を身につけることが不可欠である。たった8単位の対話式授業で、民法全体について法曹として独り立ちするのに十分なほどに体系化された法的素養を身につけさせることは、絶対に不可能である。」

 「4 法曹への門戸は広がるのか?」
 「ロースクール構想の核となっている標語に「公平性・開放性・多様性」というものがある。」「しかし、」「ここでいう「公平性・開放性・多様性」は、ロースクールに入る際に保障されているだけであって、司法試験については保障されていない。(原則としてロースクールを修了しないと司法試験を受験できない)のであるから、場合によっては、法曹界への途を狭めることにもなることに注意しなければならない。その最大の要因は学費その他の経済的負担の問題であるが、それだけにとどまるわけではない。」
 「法学部出身者にとっては、現状よりは期間を長期化させ、経済的負担を増大させる制度であり、それを理由に法曹への途を断念する人も出てくる可能性がある。」

 「難関といわれるロースクールに落ちた人はどんなに優秀であっても法曹になれないが、易しいロースクールに合格した人は法曹になる可能性が開けるということの妥当性も検討しておく必要がある」
(引用終わり)

 鎌田委員の「ロースクールを考える」(成文堂)における執筆部分は、大変共感できるものです。

 他方で、法曹養成検討会議における鎌田委員の発言には、共感できる部分がありません。

 

pagetop