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日弁連会長選挙規定改定の行方

2013.01.11

 

 あけましておめでとうございます。
 
 昨年は、埼玉県弁護士会・長野県弁護士会・栃木県弁護士会・愛知県弁護士会の各地から呼んで頂き、法曹人口問題・法曹養成問題・TPP問題について意見交換・情報交換をさせて頂く等大変有意義な一年でした。
 各地の弁護士の皆様には大変お世話になりました。
 本当にありがとうございました。この場をお借りして心より御礼申し上げます。
 
 

 ところで、1月の日弁連理事会が1月17日と18日に行われます。
 1月の理事会で会長選挙規定について審議されるはずですが、今回の会長選挙規定の一番の問題は、その手続きにあります。

 
 12月16日のブログでも書かせていただきましたが、一番の問題は会長選挙規定改定手続きのあまりの拙速性にあります。委員選任の方法にも問題がありました。会長選挙規定を改定することは、全会員に影響を及ぼす問題です。昨年の会務を引き継ぐだけで終われば済む平和な時代であれば、誰が会長として選ばれるかは大した問題はなかったでしょう。しかしながら、この激動期にあって日弁連会長として誰が選ばれるかは、会員の業務にも会務にも多大な影響を及ぼします。
 ところが、各地の多様な意見を取り入れることができるような委員構成になっているとは思えません。例えば、兵庫県弁護士会からも委員の推薦をしましたが、選任されませんでした。日弁連の委員に応募した会員は大変な負担を覚悟して応募され、単位会が推薦したのにもかかわらず、近弁連枠から選出に漏れたのみならず会長選出枠としても選出されなかったのです。


 約2年前、法曹人口政策会議というワーキンググループが日弁連内にでき、各地から多様な意見を持った会員が委員として参加し、かつ、傍聴も認められるオープンな会議体ができたのは、まさに宇都宮会長政権が実現したからにほかなりません。宇都宮政権ができ、我々が日弁連の法曹人口問題を扱う委員会に出席できたからこそ、そして、傍聴者がいたからこそ、法曹人口問題について日弁連が更なる減員を視野に入れた「まず、1500人」との意見書を出すことができたのです。勿論1500人との数字は、到底容認しうる数字ではありませんが、宇都宮政権でなければ、このような意見書を出すことは到底かなわなかったでしょう。

 実際、山岸政権に交代してからすでに1年近くが経過しますが、日弁連が法曹人口問題について、1500人実現に向けて具体的活動を行っているとの徴表は認められません。
 そして、現実に聞こえてくるのは、(給費制復活に向けての活動といった活動もありますが)多くは民事審判制度の創設・陳述録取制度の創設等民事司法改革、会長選挙規定改定等司法改革路線をむしろ一歩先に進める政策ばかりです。
 ※民事司法改革はいずれも大変問題のある由々しき制度ですが、中身等は別の機会に譲らせて頂きます。

 
 宇都宮政権に不満を抱かれた会員も多くいらっしゃると思います。会長が変わったからといっても動かせないことも多々あったことは事実です。しかし、それでも日弁連の会長が旧主流派以外から選ばれたことの意味は大変大きかったと思います。

 その意味で会長選挙規定改定問題の行方は、今後の日弁連、否、司法制度というよりは我が国の行く末を定める極めて重要な問題なのです。



 

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