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法曹養成に関する緊急提言の緊急性

2011.03.21

 

 昨日のブログに書きましたが、日弁連執行部は、3月18日の日弁連理事会での法曹養成の改善に関する緊急提言の決議を延期し、3月27日の臨時理事会での可決を目指すようです。
 この無理な日程設定からして、日弁連執行部は、何としてでもこの緊急提言を今年度中に可決に持って行きたいようです。

 しかし、何故これほどまでに法曹養成の改善に関する緊急提言の可決を目指さねばならないのでしょうか。
 10日ほど先延ばしにしたからといって、東北・関東大震災との関係で言えば、とても震災の傷跡が収まった雰囲気になるわけではありません。
 3月27日の臨時理事会というのは、あまりに緊急に決められた日程ですので、欠席する理事者が増える可能性さえあります。
 
 実は、日弁連執行部が緊急提言を是非ともこの時期に可決にもって行きたい口実としてあげるのが、「法曹養成のフォーラムが立ち上げられるから、その前に日弁連の意見を述べておかねばならない。」ということです。

 この口実もまことにもっていかがわしい口実です。
 法曹養成のフォーラムが立ち上げられることは、ずっと以前からわかりきっていたことでした。むしろ、フォーラムの立ち上げは、当初の予定より数ヶ月遅れたので、その間、十分過ぎるほど準備をする期間はあったはずです。
 また、法曹養成フォーラムが立ち上げられた後でもその後、少なくとも数ヶ月間、フォーラムの中で議論が闘わされるはずで、その間に、あるいは、その中での議論状況を睨みながら日弁連が意見を述べることは十分にできるのではないでしょうか。
 
 仮に、百歩譲って法曹養成のフォーラムに間に合わせるためであったとしても、法科大学院のために司法試験のあり方を変えるべきとか、受験回数制限に合理性があるとか、予備試験を制限的に運用すべきとか、いかにも非合理的で、会員の多数意見とは到底思えない内容の提言を出す必要はありません。ましてや、弁護士会の民主主義の適正手続きを捻じ曲げてまで出すような意見でないのは明白です。

 このようなことを続けているのは、おそらく日弁連執行部、特に旧主流派の連中が私達を馬鹿にしきっているのが根底にあるのでしょう。

 そして、このようないかにも不合理な決議を可決させれば、旧主流派が益々図に乗ることもまた間違いないでしょう。

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