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法科大学院関係者の言うこと

2010.11.23

 

 前回の法曹人口政策会議において、私は、「法科大学院関係者は、司法試験合格者数を激増させることに利害関係がある。法科大学院関係者の「司法試験合格者数を増やせ」と言うのは、法科大学院関係者のエゴである。利害関係のある法科大学院関係者の言うことに耳を傾ける必要はない。」旨申しあげました。
 
 この発言は、私達弁護士が常に同じことをマスコミ等から言われて言論圧殺をされていることから、敢えてそれとの対比としてセンセーショナルに申しあげたものです。このように、「極論」と見えるような発言をしなければ、理解してもらえないので、敢えて申しあげたのですが、実は、この発言は正確ではありません。

 事実、「利害関係ある人の発言に耳を傾ける必要がない」とすると、弁護士も裁判所も検察官も司法に関係することであれば全て利害関係ある人の発言として無視しなければならなくなってしまいます。それは、あまりにも不合理でしょう。
 実際には、専門家が一番その世界のことに詳しいわけですから、その道の専門家の発言に耳を傾けなければ、何をどうしたらよいかたちまちわからなくなってしまいます。

 私の申しあげたかった内容を正確に表現すると、「利害関係ある人が、自らの利益のためにのみ発言する不合理な意見には耳を傾けるべきではない。」と言うことです。典型的な例は、10月15日付け朝日新聞に掲載された青山善充法科大学院協会理事長の社説や10月22日付け日経新聞の福井秀夫教授の論文といったものでしょう。

 「自らの利益のためだけに不合理な」ことを言っているかどうかは、発言の中身を見れば、その内容が不合理かつ非論理的なので、同じ専門家なら手に取るようにわかります。

 青山氏の社説や福井教授の論文の内容がいかに不合理かつ非論理的であるかは、私も過去のブログだけでなく、大阪の坂野先生や他の弁護士のブログの中でも触れていますので、ここでは敢えて繰り返しませんが(私の場合、福井教授の論文について未だ書けていませんので、いつか触れたいと思っております。)、私は、学者と言うのは、もう少し信頼できる、高潔な存在であると思っておりました。

 少なくとも学生のことくらいは、考えているのだろうと思っていましたが、それは幻想であることについて、最近ひしひしと失望を持って感じています。
 
 中には、誠実にして人格高潔で聡明な学者もいらっしゃるとは思うのですが、その方々の声が聞こえてこないのは大変残念なことです。


 
 

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